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時計師の工具① タガネ

腕の良い時計師は、良くメンテナンスされた良い工具を使っています。
どんなに良い腕があっても、虫眼鏡と割り箸では時計の修理は出来ません。
経験上、工具の良さと腕の良さには、相関関係があるように思います。

しばらくは私の工具の紹介でもしていこうかと思います。

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イメージ 1


Starのタガネフルセットです。
新品で定価19万もしますが…(¯―¯٥)、amazonで安く出ていた物を運良く購入出来ました。
タガネはStarに限る…と、学生の頃に先生に教わったので、受け売りでStarにしました(笑)
→訂正:先生に確認したところ、タガネはゼムに限るそうです(笑)しかしながら現行品ではゼムは入手出来ません。starかベルジョンの二択だと、starに軍配が挙がります。

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イメージ 2

写真は古い手巻き時計の地板修正作業です。
香箱真の部分がガタガタに広がってしまっているので、叩いて内側に肉を寄せ、あがきを詰めます。
タガネはカシメ作業や打ち抜き、圧入、アガキ詰めなど、色々な場面で使う工具です。

オークションなどで出回っている古いタガネは、程度の見極めが非常に難しいので、基本的にはお勧め出来ません。
工具に精通した、信頼のおける出品者さんが出している製品は大丈夫かも知れませんが…。
(Boleyの物は少し触ってみたい気もしますね)

酷使されたポンス台は、タガネ挿入部にガタが生じ、正確な作業が出来なくなりますし、変形したタガネは、旋盤にクランプして修正しなくてはなりません。
諸説ありますが、現実的な値段で販売されている物ですので、出来るだけ新品、もしくはそれに近い状態の物をお勧めしたいところです。

購入するときには、タガネを受け(下のコマの代わり)としても使えるように、ベースも付いている、所謂フルセットを買うほうが良いでしょう。

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