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Channel: 時計師への道
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ETA7750のはなし

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非常にどうでも良い話なんですけど、以前友人に買い取ってもらったジャンク上がりのスピードマスター(トリプルカレンダー ETA7750ベースの7751搭載)が調子悪くなってしまいまして、先週以前のバイト先にお邪魔して、オーバーホールを行いました。

原因は爪石の欠落と、アンクルホゾの汚れによる振り落ちだったんですが、クロノを動かすと止まっちゃうほどに弱ってまして・・
オーバーホール後は振り角が180度から290度と大幅に改善!!新品レベルの元気な時計になりました!いやーホントに精度も振りも出やすい良い機械です。

友人の機械はかなり古いものでして、結構現行型と違う部品があったので、メモ程度の話ではありますが、新旧の比較にでもしてもらえたらと思います。

�輪列
・3番車の軸受けが地板側だけメタルブッシュ。
トルクが大きい機械ゆえ、ブッシュの摩耗が激しく、なぜここにメタルブッシュが採用されたのか疑問に思った。
今回の修理の際に、部品取りの機械から移植してルビーの受石に変更。ザラ回りがスムーズになった。

�クロノパーツ
・30分積算計の軸受けもメタル。あまり大きな力はかからないので摩耗もなく、そのまま使用した。
・裏輪列側の12時間カウンターのブレーキパーツの先端形状が現行と旧型で違うらしい。部品がなかったのでここはそのまま再使用。次回オーバーホール時に交換予定。

�その他
・エボーシュの刻印が「ETA」ではなく「VAL」だった。valjoux時代の名残ですね。
・アンクル爪石が不透明。今回は欠けていたため現行品の爪石に変更した。
・自動巻きの切替車の上下ホゾもメタル。摩耗が起きやすい部位だが、巻き上げは正常だったため今回はそのまま使用。次回要交換か??
・ETA特有のアオリ調整システム(ETAクロン)が実装されていない。等時性の調整が若干手間。

他にも探せばいろんな変更があるかもしれません、
30年以上使われている機械ですので、少しずつ進化してメンテナンス性を向上させてるみたいですね。
ホントにメモみたいな話で申し訳ないです(汗)
中古の7750を買うときのチェックポイントとして利用してもらえれば幸いです。
まぁ、古いからといって全然問題があるわけではないので、あくまで参考程度に。

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