折れていた裏押さえは、ジャンクムーブから移植しました。
古い時計の裏押さえは、しばしば破損していることが有ります。
製作の難易度はそれほど高く無いので、手に入らない場合は別作で対応します。
別作には炭素鋼の極薄板材が必要になりますが、入手するのは少々難しいかも知れません。
私は鋼材屋さんにオーダーして手に入れました。
受けの上に飛び出している歯車は、取り外せるタイプではなく、三番車と一体になっています。
出車式よりもスタビリティは高そうですね。
中三針(秒針が真ん中に来ているレイアウトの時計)にも色々な設計の物が有りますが、この手の秒カナを使った時計は最近の設計ではあまり見られません。
秒カナは、挙動を安定させるためにフリクションスプリングが必要になり、そのスプリングを入れると振り角のロスに繋がるので、個人的にはあまり好きな機構では有りません。ですが、この機械は秒カナ用のブリッジがしっかりしていて、見た目はとてもカッコ良いです。
近年では、ほとんどの時計が輪列をコンパクトにまとめて4番車を中央に配置して、そこに直接秒針を取り付けています。
後の組み立て、調整等はこれと言って特殊な所はありませんので、cal.503シリーズの覚え書きは、これをもって完結とさせて頂きますm(_ _)m