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Channel: 時計師への道
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時計師の工具④ 時計旋盤

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時計旋盤は、時計の内部パーツの加工や製作時に必要になる工具です。
一般工作用の旋盤とは比べ物にならない精密な作業が可能です。

イメージ 1


最近購入した旋盤です。
チャック類やクロススライドを色々と付けて購入したところ、かなりの金額になってしまいました(^_^;)

ヘッド、ベースはLEVINと言うアメリカのメーカー製で、テールストックは別のアメリカ製品のようです。
ヘッドストックの材質は銅製。プーリー部は、布に樹脂を流し込んで整形した物らしく、独特の雰囲気がカッコいいです。

ベッドは上面がフラットなタイプです。これも錆びる気配すら無いので銅製かな?
他にもいくつかベッドの規格が有り、付属品を購入する時は、ベッドの規格に合ったものを選びます。

古い物のようですが、精度は実体顕微鏡で見ても全く振れが確認できないレベルで、申し分有りません。

イメージ 2

クロススライドはドイツのboley製。
このメーカーの旋盤&付属品は、時計旋盤の中では最高峰の呼び声高い逸品だそうです。
ツールポストは汎用品を加工してもらい装着しています。
送りのピッチは実測で、0.64mm/1周でした。

イメージ 3

長い物を掴むためのコレットチャックは34本。
時計学校ではこればかり使っていました。
メーカーはバラけています。
小さい物を掴む時は、中心で上手くチャッキング出来ない事が有るので、特に注意して取り付ける必要が有ります。

イメージ 4

大径で薄いものを掴むためのステップチャックは5本組。
歯車や天輪をつかむ時に使います。
LEVINのデッドストックです。あまり強くチャッキングせず使う方が真円に近い状態で固定できます。

イメージ 5

バイトや工具を研ぐためのグランダーチャック&ダイヤモンドホイール。
しっかり取り付けてあげると、これもしっかりセンター出るようです。

イメージ 6

天真を作るとき等に、完全にセンターが出せるセメントチャック。新品です。使い方は追々…

とりあえず今のところの装備はこんな感じです。
今の装備でも、簡単な部品を作る事は可能です。
地板の加工のためのフェイスプレート、ケースベゼルの加工に三爪チャック等も追々集めて行きたいところです。


旋盤は現在、ベルジョンとstarくらいしか新品で買えないのかな?
新品はとんでもない価格なので、必然的に中古を買う人が多いと思います。
私はヤフオクに良く旋盤を出品されている、okey dokeyさんに相談して揃えてもらいました。
時計旋盤を専門的に取り扱う、貴重な業者さんです。事後メンテナンス等もして頂けるとの事で、安心して購入できました。


ひとまず簡単な加工から始めてみたいと思います。
古典時計協会と言う所で講習会なども行われているようなので、いつか参加してみようと思います。

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